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2019年に山梨県富士河口湖町にオープンした「富士河口湖リゾートホテル」は、客室やレストラン、大浴場から勇壮な富士山の姿を臨む客室数120のホテルです。河口湖駅や富士急ハイランドから徒歩圏内、広大な駐車スペースもあるため、若い世代のグループ旅行から家族連れ、富士山観光が目的のインバウンド客と様々な方が宿泊されています。
富士河口湖リゾートホテルではセルフレジシステム「StarPay-Order」導入以降、売店の売上が倍増し、顧客満足度も向上しています。DX化によりスタッフの皆さんが取り組めたこととその実績について、富士河口湖リゾートホテル 宿泊部 アシスタントマネージャー 石田圭介さんに伺いました。
富士河口湖リゾートホテルの館内に、地元のお土産物や旅行用品などを販売している売店があり、その売店にセルフレジシステム「StarPay-Order」を導入しました。導入前に抱えていた課題について、石田さんはこう説明します。
「当ホテルの売店はフロントと同じ1階ロビーにあり、フロントスタッフが売店のレジ業務を兼務していました。レジにスタッフを呼び出すためのボタンがあり、売店で会計をしたいお客様はそのボタンを押してスタッフを呼び出し、フロントスタッフは急いで売店に向かい、レジ業務を行っていました。
チェックインやチェックアウトでフロント業務が忙しい時間帯には、売店のお客様を待たせてしまうこともあり、場合によっては商品を棚に戻して、買い物をあきらめて立ち去られることもありました。お客様への十分な対応が出来ていないことと、売上機会の損失が従前の課題でした。」
そこで山梨県の補助金を活用して導入したのが、ネットスターズのセルフレジシステム「StarPay-Order」でした。
富士河口湖リゾートホテルの売店には、セルフレジシステム「StarPay-Order」の「キオスクオーダー」を設置しています。「キオスクオーダー」はタッチパネル式のキオスク端末で、買い物をするお客様が商品バーコードを端末で読み取り、現金や各種キャッシュレスでの決済をご自身で行うことができます。お尋ね事のあるお客様を考慮して、スタッフの呼び出しボタンは売店レジにそのまま設置しています。
「セルフレジはコンビニやスーパーなどで普及しているせいか国内のお客様の多くはスムーズに操作しており、アジアからのお客様も手馴れた様子でご利用いただいています。StarPay-Orderは多言語対応しているため、言語を切り替えれば、ガイダンスに沿って操作できています。一部、セルフレジに親しみのないお客様はスタッフ呼び出しボタンを押される方もいますが、フロントスタッフの売店対応業務は激減しました。」
StarPay-Order導入で最初に効果を実感したのは、フロントスタッフの負担軽減でした。売店対応のためにフロント業務や事務作業を中断することが激減し、本来業務に集中でき、サービス品質も業務効率も向上したそうです。
また、StarPay-Order導入前は、売店は朝7時にオープンしてからチェックアウトが終わる10時にいったん閉店し、チェックインが始まる午後3時に再開して夜10時で閉店する2部制でした。StarPay-Order導入により、朝7時から夜11時まで通し営業が可能になりました。通し営業になったことで、これまで1日2回行っていたレジ締め作業が1回になったうえ、現金回収やデータを経理に回す作業工数も激減しました。
「売店業務の省人化が図れたことで、スタッフから売店の品ぞろえについて再検討しようという声が上がりました。そこで、売れ筋や掘り起こせていないお客様ニーズについて話し合い、売店の商品ラインナップを増やしたり、陳列を工夫したり、これまで取り組めていなかったことが出来るようになりました。
売店の売れ筋は、やはりお土産品です。特に富士山を冠したサイダーやクッキー、山梨限定のフェイスパックが人気です。インバウンドのお客様に向けて、浴衣やスーツケースなどを追加し、品ぞろえを2割ほど増やしました。
この取り組みは大当たりし、外国からのお客様に浴衣がとてもよく売れています。また、旅の途中でスーツケースが壊れて困っているお客様などに、スーツケースの販売は好評いただいています。」
StarPay-Order導入以降、売店の売上は急激に伸び、前年同月比で2倍の実績が出ています。
「売上アップは予想していましたが、まさか2倍になるとは。うれしい誤算でした。フロントスタッフが対応できずに生じていた売上機会損失がなくなったことに加え、省人化により出来た時間を利用して品ぞろえを見直したことや、営業時間が延びたことが、実績に繋がっていると思います。
常連のお客さまから、『忙しそうなスタッフを売店のレジにわざわざ呼び出すのは気が引けていたが、これで気軽に買い物できるようになった』と好評の声も寄せられています。」
また、StarPay-Order導入で決済手段を増やしたこともプラスの影響を及ぼしていると石田さんは分析します。導入前は対応する決済手段が現金とクレジットカードのみで、クレジットカードを持たない修学旅行生や学生から「QRコード決済は使えないのか?」という問い合わせが多かったそうです。売店のStarPay-Orderでは現金、クレジットカードに加え、QRコード決済と電子マネー決済にも対応しています。QRコード利用は決済全体の2割近くを占めています。
「今後はQRコード決済導入により、売店での買い物がしやすくなった若年層のお客様ニーズをとらえた商品もラインナップに加えていきたいです。」
お客様自身が決済するセルフレジの導入で最も心配したのは盗難でした。売店内に監視カメラを設置し、その旨を掲示しています。StarPay-Order導入以降、盗難は発生しておらず、安心して運用できているそうです。
StarPay-Order導入が期待以上の成果につながっていることで、石田さんは館内のDXをさらに推進していきたいと言います。
「売店の売上が倍になり、業務の効率化と省人化を実現できたうえ、スタッフが付加価値の高い業務に時間を割けるようになったことで、社内でのDXに対する理解や注目も高まっています。今後はレストランや、客室サービスへのDX導入も検討していきたいと考えています。」
今後もネットスターズでは、セルフレジをはじめ、モバイルオーダーやキャッシュレス決済など時代に即したデジタルツールの活用で各業界のDX推進をサポートしていきます。
*本内容は公開日時点の情報です。