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ネットスターズの「StarPay」は、国内外のQRコード決済サービスをはじめ、あらゆるキャッシュレス決済を店舗に一度に導入・管理できるマルチキャッシュレス決済ソリューションです。そのサービス運営は常にとまることのない安定性を求められています。
毎日数億もの支払いに伴うデータを処理するマルチキャッシュレス決済ソリューション提供企業として、技術的に重要なのがデータの処理、保存、検索、分析です。取得した顧客データの安全性確保に加えて、そもそも決済事業において「いつでも使える」高可用性*は欠かせない項目であり、その維持に、エンジニアチームが日々取り組んでいます。その結果、StarPayの可用性は2023年を通して99.99%でした。
今回、ネットスターズが提供する決済サービスの根幹である、高可用性を維持するための技術面での取り組みや、採用している先進的なシステムについて紹介します。
*高可用性:提供している機能やサービスが停止・中断する頻度や時間を極力少なく抑えた状態。
高いレベルでシステムを維持するために、人材は欠かせません。ネットスターズでは、10年以上の経験を持つデータサイエンティストとデータエンジニアからなる、専門のデータプラットフォームチームを組織しています。このチームでは、データの安全性と正確性を保証するための適切なデータ管理戦略を策定しています。このチームのエンジニアは、データベース管理、データモデリング、データガバナンス、データプレゼンテーションなど、それぞれの分野で専門的なスキルを持っています。ネットスターズのデータ処理の専門性と効率を担保しています。
データベースには、高い信頼性を持つAWS Auroraデータベースシステムを採用し、強力なCPU、RAM、I/O性能を備えた複数のサーバーを配置しています。システムは、アプリケーションの要件に基づいてデータ読み書きを分離してコントロールしていて、データベースの読み取り効率を効果的に向上させています。ひとつのデータベースに障害が発生した場合でも、即座に他のデータベースが引き継ぎ、取引が中断されません。
地震、火山噴火、津波など、日本で起こりうる自然災害に対処するため、災害時に対応する災害復旧システムを構築しています。取引データはリアルタイムでリモートデータベースに複製されており、災害が発生した場合にも、リモートデータベースが即座に取引を引き継ぎます。取引データはどのような状況でも安全に保護され、取引を続けられます。災害時もビジネスに支障がないようなシステムを用意しています。
決済業務の機密性と複雑さに対処するために、ネットスターズではNoWorryDBシステムを開発しました。日々データ操作を行うメインデータベースに加えて、ローデータを8時間分保持する予備データベースを構築。仮にデータベース操作でトラブルが発生した場合でも、8時間分の過去データをもとに迅速に回復します。 データベース操作で100%ゼロにはできないミスによるリスクを大幅に軽減します。
毎日数百万件の取引と数億の関連情報を処理するために、オンライン分析処理(OLAP)専用に設計されたClickHouse列型データベース技術を採用しています。この先進的な列ストレージ技術は、大量データの保存効率を高め、データ検索速度を大幅に向上させています。
取引に関するデータ統計や分析をユーザーがより使いやすいよう、大容量データにも対応し直観的に使えるTableauシステムを導入しています。シンプルなドラッグ&ドロップと数回のクリック操作で、AIを活用した統計モデリング機能が利用でき、データの統計や分析タスクが効率的にできます。Tableauを効果的に活用し、ビッグデータの分析と次世代プロダクト開発に役立てています。
ネットスターズでは、これからも加盟店がいつでも安心して取引を行えるサービスの維持・提供につとめます。そのために高可用性を維持し、取引データの安全性、信頼性、効率的な処理を確保できるよう、データ技術システムの構築に力をいれていきます。今後も引き続き技術をブラッシュアップし、より良いサービスを提供できるよう取り組んでいきます。
*本内容は公開日時点の情報です。