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以前、インバウンド観光客が日本に押し寄せてきたとき、訪日客で最も多かったのは中国人でした。日本で化粧品やお菓子などを「爆買い」する様子は、流行語にもなりました。観光地が混雑して「どこに行っても外国人ばかり」と嘆く声もある一方で、訪日観光客へのおもてなしサービスがうまれたのも事実です。
コロナ渦を経て、中国からの観光客はまだ戻ったとはいえません。中国人の旅行事情は、いまどうなっているのかを探るため、2023年1Q(1~3月)の中国人の国内の旅行状況について、現地のレポートを紹介します。
コロナ渦で、国外だけでなく国内旅行もストップした中国。その後再開し、2023年は1Qだけで国内旅行者が12億人を超え、既に前年比46.5%に到達し、一気に復活しています。旅行者数のペースでは2019年には届かないものの、2017年の水準に戻る勢いです。
2023年1Qの中国国内旅行業の売上は、約25.4兆円にのぼりました。これは2022年比の69.5%にあたり、今年に入ってからの国内旅行の急回復を裏付けています。この勢いが続くと、コロナ渦直前の2019年に迫るのではないかと思料します。
前述の旅行者数に比べると、売上の回復が顕著で、旅行者の「消費したい」意欲が見えます。
中国国内旅行の省別の行き先から、特徴的な部分をピックアップしました。大きな伸びが見られたのが湖南省と内モンゴル自治区でした。それぞれ、湖南省の長沙市は若者の間でSNSを通じて「映え」るグルメが話題のエリアであり、内モンゴル自治区は自然が有名な場所です。SNSでの「映え」が、動向に大きな影響を与えるのは日本も中国も共通と言えます。
旅行に関して、人・消費の動きは今年に入って顕著に回復しましたが、コロナ渦でも、旅行業の売上に占めるオンラインの割合は、堅調に推移していました。従前のように気軽に旅行代理店へ足を運べない状況となり、旅行情報収集・予約などがオンライン中心になったことがうかがえます。そのため、コロナ渦でも、オンライン売上はそこまで落ち込みませんでした。旅行業のなかで、オンラインサービスの地位が着実に高まっていることが伝わります。
旅行情報収集先として、旅行代理店などの旅行事業者による情報サイトを抜いて、SNSのショート動画が74.9%を占めています。中国では、Douyin(抖音。日本ではTikTok)やRED (小紅書)、Kuaishou(快手)などのSNSに投稿されたショート動画が、旅行の情報源として参照されています。
中国国内に限らず、日本への旅行でも、観光地や宿泊先、食事、アクティビティ、買い物など、ショート動画が来訪効果をもたらすと考えられます。
ネットスターズでは、中国オフィスと連携し、インバウンド観光客へのアプローチにつながる現地情報収集を行っています。ショート動画によるプロモーションなど中国のSNS施策などインバウンドプロモーションサービスも提供しています。
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