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【インタビュー】ネットスターズCOOが語る無人化/省人化のカギとは?

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「無人化」や「省人化」は、近年よく聞く言葉です。特に少子高齢化が進む日本では、人手不足を解決する手段として無人店舗やセルフレジなどのサービスが続々と登場しています。

こうしたDX分野では、隣国中国の方がサービスの普及が進んでいます。今回はネットスターズ 取締役 COO 長福 久弘が中国出張に行った際に経験したDX体験も交えながら、これからの無人化/省人化ソリューションの展望について、インタビュー形式でお伝えします。

ネットスターズ 取締役 COO 長福 久弘

3か月スパンで見た中国の発展

―長福さんは、長年にわたり定期的に中国出張に行っているそうですね。

長福:私が中国に行き始めたのは2017年頃からなのですが、そこから約10年間、中国のキャッシュレス決済やIoT技術の発展を見てきました。当時の中国はQRコード決済が普及し始めた時期で、どこもかしこも紙のQRコードステッカーが貼られていましたね。

そこから3か月に1回くらいのペースで出張に行っていたのですが、発展の仕方がすごいんですよ。3か月前は紙のステッカーだったのが、次に行ったときには端末での表示に変わっていて、そのさらに3か月後にはPOSレジと連携していたりと、行くたびに利便性が上がっていっていました。

中国の屋台に置いてある決済用QRコードつきスピーカー。決済が完了するとスピーカーから音声通知が流れる

―3か月でその変化はすごいですね。他にも変化を感じたテクノロジーやサービスはあったのでしょうか?

長福:無人コンビニですね。当時は中国でコンテナ型の無人コンビニが流行していた時期で、私も体験しに行きました。ただ、万引き対策で通常のコンビニより商品数が少なくなっていて、さらに無人なので補充もなかなかされず、商品の売り切れが多い印象でした。それで、3か月後とか6か月後には撤退している店舗が多かったです。

中国出張で感じた“機械ファースト”

―最近の中国はどのような感じなのでしょうか。

長福:最近感じているのは、“機械ファースト”ですね。

例えば、中国では多くのホテルで自動配送ロボットが導入されています。デリバリーを頼むと、ホテルに到着した配達員が商品をロボットにセットし、ロボットが部屋まで運んでくれます。ロボットにはセンサーが搭載されていて、エレベーターシステムとも連携しているので、自動でエレベーターに乗り込んでセンサーで階を指定します。注文客の部屋の前に到着すると、自動音声や室内電話でお知らせしてくれるので、客は商品を受け取ってロボットの液晶画面に表示される受取ボタンを押せば配送完了です。

こうしたサービスはコロナ前からあったのですが、コロナ禍で一気に普及したようですね。それで、こうした分野で面白いのが先ほどお話しした“機械ファースト”で、実際にホテルのエレベーターに乗ると、配送ロボットがいたりするわけですが、エレベーターの真ん中にどーんと乗っているので、人間側が避けなきゃいけない。降りるときもロボットが先で、必要はないんでしょうけど「開」ボタンを押してあげたりして(笑)。

ホテルの自動配送ロボット。商品を受け取ったらロボットの液晶画面に表示される「完了」ボタンをタッチする

―なるほど、それはなかなか日本では見ない光景ですね(笑)。

長福:ですよね(笑)。あと、私はまだ乗ったことがないのですが、大連では無人の自動運転バスが走っています。先ほどの配送ロボットはすでに日常的な光景になっていますし、中国は最近自動化が進んでいるなと感じます。

カギはユーザー体験の向上

―中国ほどではありませんが、近年は人手不足の影響で日本でも無人化/省人化サービスが増えていますよね。

長福:ここが少し難しいところで、結局のところユーザーファーストのサービスしか残らないと思っています。

店舗の無人化や省人化でいくと、いきなり全てを無人化すると実はユーザーの利便性が下がってしまうこともある。先ほどの中国の無人コンビニも、無人化を目指すあまり品数が少なくなるといった面でユーザーの利便性を下げてしまった。ですので、現在のオペレーションに+αする形で、まずは省人化を目指すのが良いのではと考えています。

例えばネットスターズでは、レジ業務を削減する「レジレスプラットフォーム」を提供していますが、「レジそのものをなくす」のではなく、「レジに関連する業務をなくしていく」という発想なんですよね。

―最終的にはユーザー体験が大切ということですね。

長福:そうです。コロナ禍以降、モバイルオーダーやセルフレジなども普及しましたが、ここもユーザー体験を考慮する必要があります。例えば高級すし店なら、大将との会話や接客も楽しみの一つになるでしょう。でも、映画館で上映開始間際にポップコーンを買いたいときに、店員さんと会話したいかというと「早く買いたい!」という人がほとんどだと思います。そういうシーンでは、モバイルオーダーやキオスク端末でのオーダーで注文部分をセルフ化した方が効率化につながり、ユーザー体験もアップします。

無人化/省人化の未来とは

―今後、無人化や省人化のサービスはどのようになるとお考えですか?

長福:繰り返しになりますが、ユーザーファーストのサービスが残っていくのだと考えています。これは中国の事例を見ていてもそうで、単純に無人化/省人化をやれば良いというわけではないんじゃないかと。

これまではテクノロジーファーストなところがありましたが、それが最近ようやくユーザーファースト寄りになってきたと感じています。「テクノロジー×人」というのが大事で、テクノロジーとユーザーの利便性をどう調整するのか、という点が今後はサービスの肝になってくると思います。

ネットスターズでは、さまざまな業種・業態に合わせて店舗の省人化をサポートするDXソリューション「レジレスプラットフォーム」を展開しています。

「レジレスプラットフォーム」のイメージ図。さまざまなアプローチで店舗の省人化をサポートする

実際にホテルのショップや映画館などに導入いただいており、省人化だけでなく売上アップの効果も出ています。ネットスターズでは今後も、こうしたテクノロジーを提供しながら、時代やユーザーリテラシーにあったソリューションを活用して店舗の省人化ニーズに応えていきます。

▼レジレスプラットフォーム公式サイトはこちら
https://www.starpayorder.com/