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中国は、「デジタル大国」の側面をもち、スマートフォンさえ持っていれば生活に困らないほど、デジタル化が進んでいます。コロナ渦を経た現在の中国はどのようにデジタル技術を活用しているのでしょうか。3年ぶりに里帰りができた、ネットスターズ中国人社員の中国DX体験を紹介します。今回は、辛い食べ物とパンダで有名な、内陸の四川省成都市のレポートです。
ドラッグストアの入り口に無人販売を示す大きなタッチパネルがありました。パネルにはさまざまなメニューが表示されており、「セルフ購入」をタッチすると薬の購入画面になります。この自動販売機で薬の購入ができるのは成人のみのため、身分証明書をスキャンして年齢確認を行う必要があります。年齢確認が終わるとメニューから薬を選べるようになり、WeChatPayやAlipayなどのスマホ決済で支払います。支払い後、薬とレシートが受取口から出てきます。
この販売方法は中国で普及し始めている「スマートドラッグストア」です。コロナ感染予防対策の1つとして、薬品購入を「ゼロ接触」で行える「自動販売機」は、安全かつ便利な方法と認められ、中国で一気に広まっています。
「スマートドラッグストア」は24時間購入可能で、その場で選んで購入するだけでなく、事前にWeChatのミニアプリから欲しい薬を購入し、発行された受取コードで都合の良い時間に自動販売機から受け取ることもできます。
他にも、「美団」や「饿了么」などの中国の大手デリバリープラットフォームを使って薬を注文すると、自宅などへの配達が可能です。デリバリープラットフォーム上で決済完了後、受取コードが直接配達員に届き、配達員は店舗で薬を受け取り、注文者の自宅に配達します。外出せずに必要な薬が購入できるため、体調が悪く外出できない時などに便利です。
個人で運営している路面店や屋台に、決済用QRコードにスピーカーが付いたものが置かれています。
これまで中国の個人店では、お店のオーナーがプリントした決済用のQRコードを店頭に貼っているのが一般的でした。中国のQRコード決済サービスは、決済完了確認用に、代金受取りアカウントのスマホスピーカーから「●●元(円)を受け取りました。」と音声通知する機能がありますが、スマホがそばにないと音声通知が聞こえないのが弱点でした。
現在広く利用されているのが「QRコード決済用スピーカー」で、決済用QRコードと音声通知機能が一体になっています。そのため、決済用QRコードの印刷や貼りだす手間や、スマホを側に置いておく必要がなくなりました。「QRコード付きの決済用スピーカー」は、アリペイ・WeChatペイ・銀行などの決済サービス提供会社から直接お店へ提供しているため、売上の管理と税金の確認も簡単にできるようになりました。
配達員は、デリバリーの仕事を直接デリバリープラットフォームから個人で受ける形がありますが、中国では近年、特定エリアの配達員をステーションが管理する「デリバリーステーション」が登場しています。配達員はデリバリーステーションと契約し、デリバリーステーションは配達員へ制服・バイクなどの貸与や、給料を支給します。フリーランス配達員より安定性がある一方、普通のサラリーマンのように出勤・退勤などの勤務規定があるため、良し悪しは人それぞれのようです。
中国のほとんどの映画館では、チケット購入と入場は完全デジタル化・無人化されています。各種アプリにて映画チケットを購入し、従来の紙チケットの代わりに発行されたQRコードで入場します。映画館入り口にQRコード専用ゲートが設置されているため、受付は無人化されています。
DXが進む中国ですが、エンターテインメントではリアリティのある場に人々は足を運んでいます。若い世代では伝統的な漫才やトークショーが流行しています。小規模劇場で若手芸人が出場する回でも、座席は常にいっぱいでした。
他に、市内を走る公衆バスの車内で方言を使った漫才を鑑賞しながら、目的地へ向かうサービスも見かけました。
現在中国は医療、買い物、エンターテインメントと観光などさまざまな分野においてデジタル技術が導入され、生活における利便性向上や効率化が進んでいます。
ネットスターズブログでは、中国のデジタル化、DX化、キャッシュレス決済などの現地事情を今後もレポートしていきます。
*本内容は公開日時点の情報です。